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2012年3月23日金曜日

どうする、消費税
 
 
 来年度予算が衆議院で可決され、参議院に送られた。これを受けて、月半ばから社会保障と税の一体改革の議論が本格化している。本来、社会保障と税の一体改革のはずが、消費税改正の法案審査が先行していることに論議が集中、事前審査とは言え、真剣な発言で連日、深夜まで会議室は白熱している。
 毎日、議論を踏まえて法案の修正案が提示されるが、未だ異論が続出し、合意に到らない。それだけ大事な、幅広い政治課題であり、議論を尽くして、国民的な合意に到るべき時だろう。


課題はどこにあるのか?
 第一に、歳入改革は待ったなし、必要である。
 人口減少、少子高齢化の中で、税負担のあり方ももっと早く変えるべきだった。この問題、例えばすでに1993年、小沢一郎著「日本改造論」において消費税3%から10%へ、一方、所得税、法人税は50%減税の提案がある。少子高齢化や企業活動の国際化などの社会変化に即した税の構造、いわゆる直間比率見直しである。
 現実は20年間で所得税と法人税半減は実現した。一方、消費税アップは滞り、その結果、毎年、歳入欠陥は20~30兆円に達する。毎年20兆円規模の赤字国債発行が常態化し、今日、国債残高1,000兆円近い水準に達した。幸い、国債はほとんど国内で消化され、国に400余兆円規模の資産もある。国債の破綻(デフォルト)は、にわかには起こらないが、借金財政をこのまま放置してよい状況ではない。
 第二に、経済成長の見通しである。
 経済が成長すれば税収は増え、増税は必要ない、そちらが先だ、と言う議論も多い。正論であるが、プラザ合意以後、バブル期以外、名目3%以上の高い成長率はない。先進国においても同様の状況にある。かつてのような高度成長はにわかには期待できないのが現実だろう。しかもこれまで、減税を繰り返した結果、経済が回復しても思うように税収は伸びない税の構造となっている。
 今日のように少子高齢化が急速に進み、生産年齢人口が減ればそれにつれて生産力も消費額も落ちていく。このまま推移すれば所得税は減る。一方、法人税の方も全法人の7割が法人税を納めていない。メガバンクですら、バブル崩壊以来、全く法人税を払っていない。さらに国際的な経済環境も激変している。法人税を上げられないどころか、国際競争の中で更なる減税経の要求も高い。
 第三に、今後の社会保障のありかたがある。
 高齢化の進行により年金、医療、介護等の必要財源が膨らんでいる。自民党政権においては年2,200億円ずつ圧縮してきたが、今後の社会を維持し、安定させる上での必要経費である。

 さらに、民主党政権ではこれに子育て・教育を加えて、次の時代への積極的投資として位置づけている。なぜ、社会保障への投資が必要なのか。ヒトの減る社会では、ひとり一人に十人力、百人力を発揮してもらいたい。生き生きと溌剌と活躍してもらいたい。即戦力である女性に働いてもらえる条件づくりとしての子育て、教育あるいは介護などは欠かせない。バラマキの成長戦略の対極にある。社会保障は次の時代への先行的な経済投資でもある。
 以上のような状況下、私の立場は、消費税率見直しに条件付き賛成であり、速やかにそのための条件整備を図るべきである。条件とは、逆進性から来る低所得者対策、経営の厳しい中小企業対策などが必要。
 実際、消費税がアップされることになれば、それは2年以上先の話。準備は今からするにしても、実施までの間には国民の判断を仰ぐべき機会がある。長くても一年半後には総選挙が行われ、国民の選択が実行される。
 そもそも400名余りの議員が当初から全く同意見と言うことこそ不自然だ。連日の白熱した議論を踏まえ、近い将来、一致のできる最適なこたえが導かれるはずだ。TPP以来、熟議の民主党の伝統ができつつあることを確信する。
衆議院議員  若井 やすひこ

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