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2014年3月1日土曜日

言う! ふたつの大きなクライシス ~通常国会開会後、一ヶ月を経て~


2014/3/1
ふたつの大きなクライシス
~通常国会開会後、一ヶ月を経て~


 今国会開会以来、一ヶ月余りが過ぎた。先の国会における「特定秘密保護法」の頃から、安倍政権の強引な国会運営は問題が多過ぎる。去る2月28日には平成26年度予算案を衆議院で強行採決。史上最大の予算規模96兆円余り、25年度補正予算5兆円余りを加算すれば優に100兆円を越える超大型予算。そして鼻近に消費税増税を控えた今、未だ議論すべき課題を山ほど残したまま、とても審議を尽したとは言えぬまま採決を強行したというのは目に余る。政治の危機であるに止まらず、日本の社会全体の危機である。


    危機のひとつは、安全保障の急激な方向転換である。 
 後半国会の伏線は集団的自衛権をめぐるものになるだろう。今日、国際環境が激変し、緊張がいや増している。その中での集団的安全保障の必要性は高まりつつある。然るべき国際貢献についても考えなければならない。このことを否定するつもりはないが、このような重大な課題について、国会におけるこれまでの論議の積み重ねの上にある憲法解釈と不連続な、いわば恣意的な解釈改憲は許されないだろう。専ら安保法制懇(これはあくまでも総理の私的な諮問機関)の議論に委ね、国会での十分な議論もなく都合のよい内容の閣議決定し、数を頼んで法定するのは議会制民主主義を冒瀆しようとするものだ。総理は果たしてわが国をどこへ連れて行こうというのか。それにしても、外交・安全保障をめぐる安倍内閣のこのところのやりかたは許される領域を越えかかっている。このような時だからこそ、いやが上にも慎重にことを運ばなければならないだろう。


    危機のもうひとつは人口減少社会への突入である。
 予算の使途と関連があるが、到来した超高齢化社会、そして人口減少社会の行く末が問われている。年々増加する年金、医療、介護などの領域のみに止まらない。この間積み上げてきた社会資本についても共通の事情にある。公共施設や道路、上下水道だけでも400兆円強と言われるが、これらが一斉に老朽化、陳腐化始めている。
    2月21日、国土交通委員会でにおいて大臣所信に関連してこの問題について質疑した。人口の方は、現在の128百万人が今後50年の間に40~50万人減少、90百万人ほどになると予測されている。一方で、あらゆる社会資本ストックが老朽化すると同時に過大になる。今後、更新を急ぐと同時にダウンサイジングすることが必須である。


   人口が急増し、何もかもが足りない時代にはとにかく造るしかなかった。シビルミニマムという言葉もあったが、最低限の水準を満たしてさえいれば、画一的であろうと何だろうと、まずは速やかに需要に応えることが正義だった。
    それが全く逆になる。例えば、かつてニュータウン建設も不足する住宅供給のための方策だった。今やその千葉ニュータウンも、ポスティングに歩いているとめっきり空き家が目立つようになった。次の時代に、前世紀からのこの資産をどう生かしていくのか。
    鉄道も同様の事情にある。わが地域では乗降客数がまだ増加しているが、近い将来、多くの地域と同じように、減少に転じる日が来るだろう。こうした中で、どのようにして地域の公共交通を維持していくのか。今、まさに曲がり角である。


    このような時代背景の中で、先の国会では「交通政策基本法」を成立させることができた。民主党が10年取り組んできた法案である。そして今国会、今、私が野党筆頭理事を務める国土交通委員会では「都市再生特措法改正案」、「地域公共交通活性化・再生法改正案」が同時に提出されている。時宜にかなう法案だと思う。しっかり質疑を深め、よりよい法制度として成立させたいと考えている。



衆議院議員   若井 やすひこ

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